パワハラ防止に努めよう 1011


救急救命士の男性係長が、男性上司からのパワハラを訴える遺書のようなものを残して、自殺しました。
その遺書には、上司1人の名前を上げた上で、「パワハラ、おどし、いつもそういう事ばっかり」などと、記させていました。

遺族は「上司のパワハラは、10年以上続いており、悩んでいた」と、自殺の原因究明を訴えています。
上司は、頻繁に係長の自宅を訪ね、「おまえ、そんなのも知らんとか? 勉強が足りないのではないか」などと、長時間の説教を繰り返していました。

異なる部署に勤務している期間も、電話で執拗に『指導』を続けていました。
係長と関係のない忘年会などへの送迎も、要求していました。

このようなことは、明らかにパワハラに当たります。
自殺の原因究明を行い、再発防止の徹底を、図って欲しいものです。

大企業にパワハラ防止対策を義務づけた女性活躍・ハラスメント規制法が、施行されています。
具体的な対策の内容や何がパワハラに当たるかを示した指針も初めて作成されました。

同法では、パワハラを「優越的な関係を背景とした言動であり、業務上必要かつ相当な範囲を超えたもので、労働者の就業環境が害されるもの」と定義しました。

ここで、「パワハラ6類型」を紹介します。

①身体的な攻撃
・相手に物を投げ付ける

②精神的な攻撃
・人格を否定するような言動。相手の性的指向・性自認に関する屈辱的な言動を含む。
・業務の遂行に関する必要以上に長時間にわたる厳しい叱責(しっせき)を繰り返す。
・相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メールなどを、相手を含む複数の労働者宛てに送信。

③人間関係からの切り離し
・自身の意に沿わない労働者に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり自宅研修させたりする。

④過大な要求
・長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずる。

⑤過小な要求
・気に入らない労働者に対して、嫌がらせのために仕事を与えない。

⑥個の侵害
・労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療などの機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露。

このようなパワハラを、決して許すわけにはいきません。
パワハラで、多くの人が傷ついたり、病気になったり、仕事を辞めたり、場合によっては、死を選択したりしているのです。

日常的にパワハラに対する意識を持ち、パワハラ防止に努めましょう。
みんなが仲良く、楽しく仕事ができる職場を、作っていきましょう。

2021年10月29日