
「棚からぼたもち」という、ことわざがあります。
これは、「思いがけず幸運がやってくる」ことや「苦労せずに幸運をつかむ」ことを表すことわざです。
しかし、現実には、「棚からぼたもち」のような幸運は、ほとんどありません。
楽をして、いいこと取りは、できないのです。
仏教に、こんな昔話が、残されています。
古代インドに、たいへん我欲(がよく)の強い男がいました。
男は毎晩、火をたいて、「神様、たくさんの幸福を与えてください。多くの幸運を私にもたらしてください」と祈りました。
しかし、お金にも幸運にも、恵まれませんでした。
そこで、大きな祭壇を設けて、昼も夜も一日中、祈ることにしました。
働かずに祈ってばかりいるのですから、収入がなくなります。
また、大きな祭壇をつくるために、多額のお金も使いました。
その結果、貧しい生活になってしまいました。
ある日、男の住む村に、ブッダがやって来たことを知り、男はなぜ自分は、幸福や幸運から見放されてしまうのか、聞きに行きました。
ブッダは、「あなたは、幸福や幸運は、与えられるものだと思っている。しかし、それは自分で努力して、つくり出すものなのだ。明日から祈りをやめて、一生懸命働きなさい」と教えました。
幸運やチャンスは、何もしないで、得られることはありません。
それは、与えられるものではないのです。
自ら行動して、つくり出し、つかみ取るものなのです。
積極的に行動し、たくさんの幸運を、確実につかみ取りましょう。
