
日本で生まれた柔道は、現在世界中に競技者がいて、オリンピックの種目になっています。
この柔道の創設者は、明治時代の嘉納治五郎(かのうじごろう)という人物です。
嘉納治五郎には、モットーとしていたことがあったそうです。
それは、「うまいと思ったら、やめる」ということです。
ある日、嘉納治五郎は、酒を飲みました。
「うまい」と思いました。
次の日も、酒を飲みました。
やはり「うまい」と思いました。
しかし、同時に、「これは、いかん。うまいと思って、このまま酒を飲み続けたら、酒がクセになってしまう。酒の毒に当たって、健康をくずす結果になる」と考え、それ以降、酒をやめたというのです。
酒ばかりではなく、何事においても「面白い」とか「楽しい」と思うことは、「度が過ぎると、かえって災いをもたらす」と考えました。
そして、慎みのある生活を心がけたといいます。
度を過ぎるほど、欲張ってはいけない、ということだと思います。
ここで、イギリスのことわざを紹介します。
燃え盛る大きな火よりも、
身を温める小さな火のほうが、
ずっといい。
度を過ごさないようにしましょう。
「ほどほどの幸福感」が、もっとも心地よく感じられるのです。
