『幸福とは何か』という「幸福論」は、日本でも他の国でも、多くの本が出されています。
そこで、今から1600年前、中国の葛洪(かっこう)という人が書いた、中国流の「幸福論」を、紹介します。
第1は、「寿(じゅ)」。
お祝いの時に、よく使われる「ことぶき」という、あの「寿」です。
つまり、両親から授けられた生命というものに、まず感謝の念を持つことが大切だといっています。
「オレは頼んで生んでもらったのではない。だから、何をやろうと私の勝手だ」、こんな考え方では、決して幸福にはなれません。
第2は、「康寧(こうねい)」です。
健康の「康(こう)」と、安らぎという「安寧(あんねい)」の「寧」という字を組み合わせたものですが、意味はまったくその通りで、健康と、心の安らぎがなければ、幸福とはいい得ない、といっています。
第3は、「富」です。
お金、財産ということです。
別に大金持ちになれということでなく、幸福を維持するためには、衣食住に困らない程度のお金、財産というものが必要ですよ、といっています。
チャップリンの名作、「ライムライト」という映画の中で、チャップリンが、失意のどん底にある踊り子を励ます場面があります。
『人生はどんなことがあっても生きるに値する。そのためには3つのことが必要だ。希望と、勇気と、サム・マネーだ』あのセリフです。
サム・マネーという僅かなお金が、どの程度かは別として、ある程度「富」の裏づけは、幸福な生活を維持していくためには、やはり必要だと思います。
第4は「徳」です。
人格を磨き、人間が出来てきた、といわれる「人徳」のことです。
自分さえよけりゃ、他人はどうでもいいという根性では、人間関係はうまくいきません。
「陰徳あれば陽報あり」「積善の家に余慶あり」といわれるように、徳を積み、善行を積むことによって、幸福な環境が出来上がってきます。
第5は「終命」です。
終わりまで命を保つ、つまり長生きすることも、幸福のための大きな条件の1つです。
いわゆる「天寿」を全うするということです。
この5つの条件が全部揃って、はじめて「幸福」といえるのだといっています。
幸福は、待っていれば自然に訪れてくるものでは、ありません。
この5つの条件に向かって、努力しなければ、幸福は訪れないのです。


































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































