その場・その時に「なりきる」 1187


日本の南北朝時代に、楠木正成(くすのきまさしげ)という武将がいました。

楠木正成は、大戦(おおいくさ)に出陣するに際して、知り合いの禅僧を訪れて、「生きるか死ぬかという状況に、追い込まれた時、どう考えればいいですか」と尋ねました。

それに対して、禅僧は、「武士なのだから、生きるの、死ぬの、などという考えに、惑わされるな」と叱り、そして「1つの剣になりきれ」と言ったのです。

これは、「なりきることで、迷いが吹っ切れ、全力を出し尽くせる」という教えが、含まれているのではないかと思います。
私たちにも、参考になる言葉だと思います。

楠木正成は、武士であったから、「1つの剣になりきれ」と教えられました。
現代のサラリーマンであれば、こう教えられたのではないでしょうか。

「働く時は、サラリーマンになりきる。仕事を終えた後の遊びのことなど考えない。そうすればこそ、いい仕事ができる」
「子どもと遊ぶときは、いい親になりきる。仕事のことなど思い出さない」など、同じように言えることは、多いと思います。

その場・その時に、徹底的に「なりきる」よう、努めましょう。
揺るぎない心がつくられ、集中力が増すのです。

2025年03月30日