
自分の考えや意志を曲げず、強く貫き通す人がいます。
そのような生き方は、素晴らしいと思いますが、少し心配な面もあります。
そんな強い人は、人の話を聞いたり、多様な考えに共感したり、自分の考えを曲げたりすることができないのです。
では、本当の強さとは、どういうことでしょうか。
『イソップ物語』に、『葦(あし)とオリーブの木』という話があります。
葦とオリーブの木が、「どちらが強いか」ということで、言い争いになりました。
オリーブの木は、葦を、「おまえは強い風が吹くと、すぐに曲がってしまうではないか。私は、どんな風が吹いてもビクともしない。お前は弱く、私は強い」とバカにしました。
ある日、強い風が吹きました。
葦は風に逆らえず、曲がってしまいました。
一方、オリーブの木は、風に耐えていましたが、耐えきれなくなって、折れてしまいました。
この話は、「本当の強さとは、物事に柔軟に対応し、しなやかに生きることだ」ということを表しています。
どんな状況になろうとも、あくまで自分の意志を貫こうとする人がいます。
そのような生き方は、確かに「強い」のでしょうが、障害が大きくなりすぎると、イソップ物語のオリーブの木のように、耐えられなくなって、折れることもあります。
葦のように柔軟に対応し、時には妥協しながら、進みましょう。
このように、しなやかに生きていくほうが、本当は強いのです。
