
毎日何かしら、心の不安があり、落ち着かない人もいると思います。
先のことを考えると、うまく行きそうにないなど、心配なのです。
ダルマ人形で有名なインドの仏教僧・達磨(だるま)のエピソードを紹介します。
あるときのこと、この達磨さんに、弟子の1人が、こんな悩みを打ち明けました。
「師匠、聞いてください。私はあらゆることが、不安でたまりません。この不安を、どうにかして、消していただけませんか?」
聞いた達磨さん、少しも慌てず答えます。
「うむ、わかった。では、私がおまえの不安を消してあげよう。その不安とやらをここに出しなさい」
さあ、そう言われたこの弟子、四苦八苦して「自分の不安」を目の前に、取り出そうとしますが、そんなことできっこありません。
とうとう、降参して言います。
「師匠・・・。だめです。不安な心をここに出すことができません・・・」
この言葉を聞いた達磨さんは、こう言ったのです。
「それでいい。もともと、不安など、影も形もなかったのだ」
そもそも、未来に対する不安なんて、ほとんど現実にはなりません。
もう、全部、妄想。
そんなもの、頭の中で箱にしまって、時限爆弾で木っ端みじんに、吹き飛ばしてください。
それで、達磨さんが言うところの「もともとなかったもの」が、本当になくなるというわけです。
いくら、未来を予想したって、あたりません。
不安な未来の予想なんて、するだけ損なのです。
