
新しいことを、学ぶことがあります。
早く学んで、自分のものにしたい、自分で役立てられるようにしたいと、願います。
しかし、そう思っても簡単には、自分の思ったとおりには、なりません。
焦れば焦るほど、成果が出ません。
そんな人は、どうしたらいいのでしょうか。
野球の実況中継を、担当していたアナウンサーがいました。
先輩の実況にくらべて、自分の実況はどうにもヘタクソで、「なんとかもっとうまく、実況できるようになりたい」と、悩んでいたのです。
そんな彼、少しでも先輩アナウンサーの実況に近づくために、あることを実行したのですが、何をしたと思います?
なんと彼、その実況のうまさに憧れていた、先輩アナウンサーの野球の実況を、試合開始から試合終了まで、すべて文字に書き起こすことにしたのです。
野球の試合の1回から9回までですから、ひと試合の実況部分を文字に起こすだけでも、1か月以上かかったそうです。
それで、文字にしたものをプリントアウトして、それを来る日も来る日も声を出して、読み上げて真似をしたのです。
すると、自分の実況のテンポもリズムも、どんどん違うものになってきて、「明らかに聞きやすくなった」のだそうです。
「学ぶ」という言葉の語源は「まねる」なのだと、聞いたことがあります。
ある下着メーカーでは、TTPという文字を、スローガンにしています。
TTPとは、「徹底・的に・パクる」という言葉の頭文字です。
社長は、こう言っています。
「ライバル会社のヒット商品をTTPすると『なぜその商品がヒットしたのか?』が、身をもってわかる。だからゼロから始めるより、数倍早く商品開発力が身につく。そこにわが社の独創性をプラスすれば、りっぱなオリジナル商品になる」
よいものをまねることは、決して悪いことではなく、成長や進歩への近道なのです。
皆さんも、どんどんTTPして、時間をショートカットしてください。
まねることの素晴らしさを、わかっている人が、伸びていくのです。
