お得意様を大事にしよう 1017


商売をする上で、とても大切なものがあります。
商品、お金、会社、従業員などいろいろあります。

これらはもちろん大切なのですが、それ以外に大切なものがあります。
さて、何だと思いますか。

江戸時代の話です。
大きな呉服屋が火事になると、真っ先にすることがあったそうです。
それは、あるものを井戸に投げ込んで、燃えてしまうのを防ぐことです。

いったい、何を井戸の中に、投げ込んだのか、わかりますか?
高い着物ではなく、お店にとって、もっと大切なものを、投げ込んだのです。

それは・・・。
「大福帳(だいふくちょう)」

ほら、あの信楽焼のタヌキの置物が、手に持っている帳面です。
なぜ、「大福帳」が大切だったのかというと、あれ、今でいう「顧客リスト」なんですね。

着物なんて、燃えてしまったって、また作ればいい。
でも、「顧客リスト」は、お店にとって、財産中の財産です。

これさえあれば、また商売ができる。
どれくらい大切にしていたのかというと、いざというときに、井戸に投げ込んでも、墨で書いた文字がにじまないように、表面にはちゃんと、ロウまで塗っておいたそうです。

日頃から商売する上では、お得様が何よりも、大切なのです。
お得意様には、大変お世話になっているのです。

店が栄えるかどうかは、日頃からお得意様を、大切にしているかどうかなのです。
そのことが商売にとって、信頼を高めることにもなるのです。

さて、皆さんは、お得意様を心から、大事にしているでしょうか。
お得意様あっての商売なのです。

2021年12月09日