
みなさんは、約束を守っているでしょうか。
大事で大きな約束は守るけど、大したことがない、小さな約束は、守っていない人が、いるかもしれません。
しかし、約束に、大小はないのです。
手塚治虫の短編漫画の名作に「雨ふり小僧」があります。
主人公は、山奥の分校に通う、モウ太という名の男の子。
ある日、モウ太は橋の下で、古い傘をかぶった妖怪、「雨ふり小僧」と、出逢います。
モウ太が履いている、ブーツを欲しがる「雨ふり小僧」に、モウ太は「3つの願いを、かなえてくれたらあげる」と「小さな約束」をするのです。
その後、いろいろあるのですが、3つ目の願いは「学校の火事を、消してくれ」でした。
モウ太の「かなえてくれたら、きっとブーツをやるよ。約束するよ、あの橋の下で、待ってろよ」という言葉を信じて、必死に火を消す「雨ふり小僧」。
でも、火事になった分校が、廃校になり、突然、町へ引っ越すことになったモウ太は、「雨ふり小僧」との約束を、すっかり忘れて、引っ越してしまいます。
それから40年後。
父親になったモウ太。
ある日、娘にせがまれて、ブーツを買おうとした瞬間、「雨ふり小僧」との約束を、思い出すのです。
まさか・・・、まさか・・・、まさか!
まさか、まだ、ずっとずっと橋の下で、自分が来るのを、待っているのでは?
新品のブーツを買って、40年ぶりに、田舎へ向かうモウ太。
約束の橋の下へ、行ってみると・・・。
雨ふり小僧は、40年前と同じ姿で、橋の下に立っていました。
「火事を消したら、ブーツをあげる」と言った、モウ太の言葉を信じて。
ずっとずっと、待ち続けていたのです。
「小さな約束」を守ることが、どれだけ大切なことなのか・・・。
雨ふり小僧は、けなげすぎます。
小さな約束でも、とても大切な、約束なのです。
小さな約束でも、心と心が通じ合う、約束なのです。
