兄弟でありながら、ケンカしたり、憎しみあったりする人がいます。
ニュースなどでも、兄弟による事件が、数多く起こっています。
何故兄弟なのにと、驚きと悲しみに包まれます。
かけがえのない兄弟なのです。
いつまでも兄弟仲良く、過ごして欲しいものです。
ここで、フランス軍のある兄弟についての話を紹介します。
フランス軍の同じ部内にいる兄弟のひとりが、ドイツ軍の銃弾に倒れた。
無事に逃げた弟が上官に、戦列を離れ、傷ついた兄を連れて帰る許しを求めた。
「おそらく彼は死んでいる。だから、命をかけて亡骸(なきがら)を運んで来ても、意味はない」と、上官は言った。
しかし、兵士が何度も頼むので、上官はついに許可を与えた。
兵士が兄を背負って、戦列にもどったとき、傷ついた兄は息を引き取った。
「ほら、見たまえ」と、上官は言った。
「命までかける意味が、なかっただろう」
「いいえ」
弟トムは答えた。
「兄が求めていたことが、できました。命をかける価値が十分ありました。そばにはい寄って、抱きかかえたとき、兄は『トム、来てくれると思ってたよ。きっと来てくれると、思ってたんだ』と言ってくれましたから」
兄は、弟トムの忠誠心を期待していたのです。
トムは、命を賭けて、兄の忠誠心の期待に、答えることができたのです。
どんなに年齢を重ねても、兄はいつまでも兄、弟はいつまでも弟なのです。
お互い兄弟への忠誠心を大事に、ずっと保ち続けていきたいものです。