
毎日を慌ただしく過ごしていると、だんだん感性が、なくなってきます。
見えるもの、聞こえるもの、触るものなどが、自分から遠ざかってしまいます。
積極的に見ようとするなど、意識を持たないと、なかなか見えないのです。
わずか2歳にして、高熱によって「見えない、聞こえない、しゃべれない」という、三重苦を背負った人。
ヘレン・ケラー。
成人となり、森の中にある家に住む、ヘレンのもとへ、ある人が訪ねてきた時のことです。
訪問者にヘレンは「森はどうでしたか?」と尋ねます。
それに対して、訪問者は、こう答えたのです。
「別に・・・」
この言葉にヘレンは、衝撃を受けます。
この人は、目も見えるし、耳も聴こえる。
それなのに、森を歩いてきて「何もなかった」と言う。
小鳥のさえずりを聴くこともなく、木々の香りを嗅ぐことも、なかったと言う。
そんな「もったいないこと」が、あるだろうか・・・?
その経験から、ヘレンは、次のような言葉を、私たちに残しました。
目の見えない私から、目の見える皆さんに、お願いがあります。
明日、突然目が見えなくなってしまうかのように思って、
すべてのものを見てください。
そして、
明日、耳が聴こえなくなってしまうかのように思って、
人々の歌声を、小鳥の声を、オーケストラの力強い響きを、聴いてください。
明日、触覚がなくなってしまうかのように思って、
あらゆるものに、触ってみてください。
明日、臭覚と味覚を失うかのように思って、花の香りを嗅ぎ、食べ物を一口ずつ、味わってください。
五感を最大限に、使ってください。
世界があなたに見せてくれているすべてのもの、喜び、美しさを讃えましょう。
このメッセージ。
三重苦を知る人から、「持っている幸せ」を忘れている、私たちへの「言葉のプレゼント」です。
もっとすべてのものを、意識して見るようにしましょう。
もっと感じるように、感性を高めましょう。
喜び、美しさを讃え、幸せを感じることができるのです。
