すべてのものを見てください 1044


毎日を慌ただしく過ごしていると、だんだん感性が、なくなってきます。
見えるもの、聞こえるもの、触るものなどが、自分から遠ざかってしまいます。
積極的に見ようとするなど、意識を持たないと、なかなか見えないのです。

わずか2歳にして、高熱によって「見えない、聞こえない、しゃべれない」という、三重苦を背負った人。
ヘレン・ケラー。

成人となり、森の中にある家に住む、ヘレンのもとへ、ある人が訪ねてきた時のことです。
訪問者にヘレンは「森はどうでしたか?」と尋ねます。

それに対して、訪問者は、こう答えたのです。
「別に・・・」

この言葉にヘレンは、衝撃を受けます。
この人は、目も見えるし、耳も聴こえる。
それなのに、森を歩いてきて「何もなかった」と言う。

小鳥のさえずりを聴くこともなく、木々の香りを嗅ぐことも、なかったと言う。
そんな「もったいないこと」が、あるだろうか・・・?

その経験から、ヘレンは、次のような言葉を、私たちに残しました。

目の見えない私から、目の見える皆さんに、お願いがあります。
明日、突然目が見えなくなってしまうかのように思って、
すべてのものを見てください。

そして、
明日、耳が聴こえなくなってしまうかのように思って、
人々の歌声を、小鳥の声を、オーケストラの力強い響きを、聴いてください。

明日、触覚がなくなってしまうかのように思って、
あらゆるものに、触ってみてください。
明日、臭覚と味覚を失うかのように思って、花の香りを嗅ぎ、食べ物を一口ずつ、味わってください。

五感を最大限に、使ってください。
世界があなたに見せてくれているすべてのもの、喜び、美しさを讃えましょう。

このメッセージ。
三重苦を知る人から、「持っている幸せ」を忘れている、私たちへの「言葉のプレゼント」です。

もっとすべてのものを、意識して見るようにしましょう。
もっと感じるように、感性を高めましょう。

喜び、美しさを讃え、幸せを感じることができるのです。

2022年06月18日