
真面目な人は、仕事のことで、一生懸命になります。
仕事を頑張りすぎると、家族といっしょにいる時間が、少なくなります。
しだいに、家族に対する愛情が、弱くなってしまうのです。
仕事に疲れた、アメリカ人の父親と、その幼い息子の間に交わされた、ある日の会話です。
息子「パパ、1つ聞いてもいい?」
パパ「なんだい?」
息子「パパの時給は、いくらなの?」
パパ「(突然、何を言い出すんだ、この子は!)どうしてそんなことを、聞くんだい?」
息子「なんでもいいから教えてよ。パパの時給は、いくらなの?」
パパ「そんなに知りたいなら・・・。時給は、100ドルくらいかな」
息子「えっ!」
それを聞いて、うつむく息子・・・。
息子「(言いにくそうに)ねぇパパ。50ドル貸してくれない?」
パパ「何だって? 何か買いたいオモチャがあるのか? パパはくだらないオモチャを買うために、働いているんじゃないんだぞ! 今すぐベッドに入って、反省しなさい!」
パパの言葉を聞いた息子は、静かに自分の部屋へ向かい、ドアを閉めました。
1人残ったパパは、息子のぶしつけな質問に、ついカッとなってしまいましたが、だんだんと冷静になってきました。
お金を借りたいなんて、あの子らしくないな・・・。
いつも仕事が忙しくて、普段をほとんどかまってやることが、できていません。
そう思うと、ちょっと反省しながら、息子の部屋のドアを開けました。
パパ「起きているかい?」
息子「うん」
パパ「さっきはキツイことを言って、すまなかったな。ほら、50ドルあるよ」
それを聞いた息子は、笑顔で跳ね起きました。
息子「ありがとう、パパ!」
そういうと、彼は枕の下からお札を出して、数え始めたのです。
それを見たパパは、また腹を立てながら、聞きました。
パパ「どうしてそんなに、お金を持っているのに、50ドル貸してなんて、言ったんだ?」
息子「だって、足りなかったんだよ」
パパ「?」
息子「でも、もう大丈夫! パパ、ここに100ドルあるよ。パパの1時間分。これをあげるから、明日は、1時間早く帰ってきて。晩ご飯を一緒に、食べようよ!」
パパは、その言葉に、打ちのめされました。
そして、息子を思いっきり、抱きしめたのです。
時間は、私たちの指の隙間から、こぼれ落ちていきます。
あなたが、もし明日死んでも、会社には、代わりになる人がいます。
でも、家族や友人は、残りの人生を「あなたを失った悲しみ」とともに、生きることになるでしょう。
そのことを思えば、もっと家族の時間を、大事にできるでしょう。
人生には、仕事よりも、かけがえのない、もっと大切な家族がいるのです。
