相手の気持ちを察して行動しよう 1060


ある老舗旅館の女将さんは、お客と接する時、いつも元気に、挨拶をしていました。
でも、ある時、1人のお客さんから「そんなに明るい声で、笑いかけられても、悲しくなる。今、とても気持ちが、沈んでいるからね」という意味のことを言われて、ハッとします。

それ以来、「お客様が今、どういう気持ちで、いらっしゃるのか」を推し測って、挨拶のトーンを、変えるようにしているのだそうです。
常にお客の気持ちに、合わせた行動を、しているのです。

帝国ホテルのあるドアマンは、常連客約1000人の顔と名前、そして乗っている車の車種や運転手まで、覚えているそうです。
だから、「○○様、いらっしゃいませ」と言って、車のドアを、開けることができる。

帝国ホテルにある、バーのバーテンダーは、注文があると、1杯目のグラスは、お客様が最も手に取りやすい右斜め前に、置くのだそうです。
おかわりの注文が来た時に、2杯目のグラスを置く場所は、いったいどこでしょう。

お客様が、自分で移動した、1杯目のグラスの位置に、置くのです。

誰でもそうですが、バーやカフェで、飲み物を置く場合、自分がもっとも飲みやすい場所、あるいは、グラスを置いておきたい場所に、グラスを置きます。
神経質な人は、それこそミリ単位で、グラスの位置を、調整したりするものです。

バーテンダーは、お客様が1杯目のグラスを、どこに置いていたかを、さりげなく観察しておいて、2杯目のグラスは「当たり前のように」その位置に、置くのです。
それがあまりにも、自然に行われているので、多くのお客は、そんな配慮に、気づきもしない。
でも、「あのバーは、なぜか居心地がいい」ということになる、というわけです。

バーテンダーのように、相手の気持ちを察するには、お客様の今の状況を、察する観察力と好みを覚える記憶力が、必要です。
このような一流のサービスは、1朝1夕にできるものでは、ありません。

あなたなりに、ちょっとした工夫をすることで、人の心をとらえることは、できるでしょう。
相手の気持ちを察して、相手が心地よくなるように、常に行動しましょう。

2022年10月08日