お米には命が宿る 1064


毎日の食生活に、なくてはならない物は、何でしょう。
それは、毎日食べる活力の源である、お米です。

農家の人々が、丹精込めて育てた、お米を食べることで、人は健康な身体を、保っています。
お米に対しては、感謝の気持ちで、いっぱいなのです。

ここで、熊本日々新聞掲載、20代女性の「作り手が命を吹き込むお米」を、紹介します。

「米粒残しちゃだめよ」。
子どもの頃、そう言われて、育った大人が、どれくらいいるだろう。
しつけのためか、もったいないからか、親たちがどのような理由で、言っているのか不明だが、なぜか私は、茶碗に残った米粒を見ると、強烈な罪悪感と恐怖心のようなものが、ズキンと胸を刺してくる。

逆にきれいに炊き上がったお米は、きらきらと輝いて見え、ふわっと温かい風が、胸を吹き抜ける。
「お米には、目に見えない力がある」。
私は本気で、そう思っている。

先日母の実家の米作りを、手伝った。
無農薬のため、合鴨農法で、育てている。
鴨を狙う野生動物への対策も欠かせなく、30度近い猛暑の中、家族総出で1日中、網張りをした。
米作りには88の手間が、かかると言われるが、私はこの1日でも、クタクタになり、米作りの大変さを、痛感した。

その夜、祖母が、お米を研ぎながら、つぶやいた。
「お米には、1粒1粒命があって、稲は毎日一緒に生きてきた、兄弟だけん、1粒でも残したら、かわいそうやろ」

お米1粒1粒を命と考え、自分の子どものように、愛情を注いで、作っているのだ。
なるほど、こうやって作り手によって、お米に命が、吹き込まれていくのか。
だからお米には、心に訴えかけてくるような、不思議な力が、あるのかもしれない。

米粒を残さず、食べることは、愛情いっぱいに育てられた、1粒1粒の命を、大切にするということ。
どんなに時代が、変化しても、お米にこの力がある限り、いつまでも「米粒を残しちゃいけない」と、伝え続けられるだろう。

お米には、農家の人々の愛情と命が、宿っているのです。
お米に感謝の気持ちを、持ち続け、大切にしていきたいものです。

2022年11月04日