
西洋に、こんな民話があります。
ある貧乏な男が、近所の麦畑から麦を盗もうと考え、真夜中に末の娘と共に、他人の畑にやってきた。
そして、「誰か見ている人がいたら、教えるんだ」と、幼い娘に見張り番をさせて、自分は畑に入って、麦を刈りはじめた。
しばらくすると、娘が突然言います。
「お父さん! 誰かが見ている!」
ギョッとして、父親はあたりを見まわしますが、人っ子ひとりいません。
麦刈りを、再開する父親。
ところがしばらくすると、また娘が言います。
「お父さん! 誰かが見ている!」
父親は麦刈りを中断して、再びあたりを見まわしますが、やっぱり誰もいません。
「いったい、誰に見られているって言うんだ! 誰もいないじゃないか!」
父親が怒ってそう言うと、娘はこう答えたのです。
「お空の上から、誰かが見ているの!」
「天網恢々疎(てんもうかいかいそ)」という、中国のことわざがあります。
これは、「天は、どんな小さいな悪も見逃さず、天罰を与える」という意味です。
「神様は、お見通しだぞ」ってことです。
中国には他にも、「これは2人だけの秘密だ・・・と言って、不正を働いても、必ずバレる」という意味で、「天知る、地知る、我知る、人知る」という言葉があります。
神様が見ているのは、何も悪事だけではありません。
あなたが「イイこと」をした時も、ちゃんと見てくれています。
必ず誰かが、見ているのです。
誰にも恥じない、生き方をしましょう。
