看護の意義を知ろう 819


看護師といえば、誰でもお世話になったことがある人です。
病院で受診したり、入院したりした時に、優しく看護をしてくれます。
大変ありがたく、病院にはなくてはならない存在です。

「看護」とは、「あらゆる年代の個人や家族、集団、地域社会を対象とし、そのすべてが最大限の健康を取り戻し、できる限り質の高い生活が、できることを目的とした、支援的活動」を意味します。

ここで、イギリスのフローレンス・ナイチンゲール(看護師)のことを、紹介します。

ナイチンゲールは、イギリスなど4カ国がロシアと争った、クリミア戦争で従軍看護師として、活動しました。
彼女が赴任した野戦病院は当初、悪臭が漂い、ネズミなどがはい回り、物資も不足していました。
ナイチンゲールは、環境改善に奔走し、死亡率は下がりました。
それでも、多くの兵士の命が失われ、深い悲しみを覚えました。

「クリミアを決して忘れない」。
帰国後は、体を壊し大半を病床で過ごしながらも、数々の医療統計グラフを考案し、150以上の著書をまとめ、ビクトリア女王や政治家、官僚に衛生改革の必要性を、説きました。
看護学校の設立や病院設計も、手がけました。

160年ほど前、当時のイギリスの衛生状況は劣悪で、人々は赤痢、コレラ、結核などに悩まされていました。
まだ病原体が、発見されておらず、有効な手立てが、乏しかったのです。

このような状況を踏まえて、自著の「看護覚え書」で、次のように述べています。

「看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさを適切に保ち、食事を適切に選択し、管理すること」

ナイチンゲール生誕、200年になります。
家庭においても、子どもや家族の看護をする場合があります。

ナイチンゲールの志と、「看護覚え書」の意義を知り、これからの看護に、活かしていきましょう。

2020年10月18日