人の評価に一喜一憂しすぎない 827


ある人から、自分のことを「あなたは、倹約家で素晴らしい」と言われます。
これはほめ言葉であり、ありがたく、嬉しいことです。

別の人から、自分のことを「あなた、ケチで、お金を出すことはない」と言われます。
これは非難する言葉で、ありがたくなく、悲しいことです。

このように人によって、いろいろな見方ができ、評価が違うのです。
このことを気にしすぎるより、気にしない方が、いいでしょう。

ここで、お釈迦様のエピソードを紹介します。

お釈迦様と弟子たちが、托鉢をしながら町中を、歩いていたときのことです。
一人の町民が歩み寄り、「修行に励まれ、偉いですね」と、ペコリとお辞儀をして、立ち去りました。
お釈迦様もペコリと、お辞儀を返しましたが、その顔は無表情のままでした。

間もなく、別の町民が歩み寄ってきて、こんな暴言を、口にしました。
「おまえたちは、托鉢という名目で、人から食べ物をもらって生きている。ずるい奴らだ」
しかし、このときも、お釈迦様は、ペコリとお辞儀をしただけで、その顔は無表情のままでした。

他人から賞讃されようとも、非難されようとも、冷静のままなのです。
理由を弟子が尋ねると、お釈迦様は、次のように答えました。
「人の評価は、まちまちなのが当たり前だ。だから、そのことで振り回されたり、一喜一憂をしないだけのことだよ」

お釈迦様の教えに、「壮大な岩が、風にまったく揺るがないように、賢者は、非難にも称賛にも動じない」があります。
この教えは、壮大な岩のように、非難や称賛など人の評価に、一喜一憂することなく、心が揺らがないでいることの大切さを、教えています。

ある人を「行動力がある人だ」とほめる人もいれば、「落ち着きがない」と非難する人もいるのです。
人の評価は、千差万別なのです。

人の評価に、一喜一憂しすぎないようにしましょう。
どう言われようと、壮大な岩のように、自分の信念に基づき、我が道を貫きましょう。

2020年10月26日