競わず・比べず・争わずに「和」の心で 830


学校において、小さい時から、次のような経験をして育ちました。

○運動会・体育大会・陸上記録会では、走ることを競って、必死に走りました。
○テストの成績や通知表で、先生や友だちから比べられ、喜んだり悲しんだりしました。
○多くの人と言い争ったり、ケンカしたりしました。

このような経験をした人が、多いのではないでしょうか。
「競うこと・比べること・争うこと」を多く経験し、自然と体と心に、そのことが当たり前のこととして、染みついているのです。

ですから、人と「競うこと・比べること・争うこと」で、人より抜きん出て、「偉い」「立派」「頑張った」「素晴らしい」と、評価されるという価値観で、日々の生活を送っているのです。
人より抜きん出て、勝ち続けることでしか、幸せを手に入れることはできないと、誤った考え方を、してしまっている人もいるのです。

「100万円貯めたら、幸せになれるのではないか」と思って、一生懸命貯めます。
でも、100万円貯めた後に、今度は1000万円持っている人がいることに気がつきます。
そこで、「1000万円貯めれば、もっと幸せになれるのではないか」と思って、1000万円貯めようと努力する。
ところが、1000万円貯まっても、その上には1億円持っている人がいる。
これでは、いつまで経っても、幸せにはなれません。
本当の幸せとは、「私」が「感じる」ことなのです。

人間の価値というのは、何か数字で判断できるような、単純なものではありません。
あらゆるところに、その人の素晴らしい個性や存在価値を、見つけることができるのです。

「競うこと・比べること・争うこと」を続けていても、決していいことはありません。
いつの間にか、体も心もボロボロになってしまいます。
毎日が、不安と恐怖でいっぱいになります。

毎日が笑顔で楽しく生きるためには、「和(わ)」の心でいることが、大切なのです。
「和」の意味は、次の通りです。

1 仲よくすること。互いに相手を大切にし、協力し合う関係にあること。「人の和」「家族の和」
2 仲直りすること。争いをやめること。「和を結ぶ」「和を講じる」
3 調和のとれていること。

聖徳太子の十七条の憲法にある有名な言葉で、「和を以て貴しとなす(わをもってとうとしとなす)」があります。

「みんな仲良く争わないのが最も良い」「しっかり議論しなさい」という意味です。
日本は、人々が和の心を持ち、笑顔で楽しく、仲良くして暮らしていく国なのです。

競わず・比べず・争わずに、「和」の心で生きましょう。
喜びや感謝に満ちあふれ、ストレスのない心温まる、豊かな人生になることでしょう。

2020年10月29日