プレッシャーを味方にしよう 844


毎日同じ生活や仕事を、単調にしていては、あまり感じることがありません。
しかし、仕事や試験・試合など勝負どころで、必ず感じるものがあります。
それは、メンタルへのプレッシャーです。

たとえば大切な会議や商談、資格試験の前に、胃が浮き上がるようなプレッシャーを感じ、不安や焦りから集中できなくなり、緊張して固くなってしまい、持てる力を出し切れないで終わってしまった。
このような経験を、誰もが持っていると思います。

どうして人は、プレッシャーを、感じるのでしょうか。
それは、「結果」が、求められるからです。
「結果」を求められた途端、「うまくできるだろうか…?」「失敗しないだろうか…?」という不安が、頭の中を駆け巡り出します。
この時、人間は「結果」という未来を、見据えているようで、実は、その水面下では、過去の体験を、想起し始めます。
「またあの時と同じように、失敗してしまわないだろうか…?」と、特に過去の失敗体験が鮮明に蘇ってきます。

これは、過去と同じ過ちを、繰り返さないようにするためのリスク回避、防衛本能が強く働くからだと、推測されています。
プレッシャーを意識して、それに打ち勝とうと、もがけばもがくほど、集中が乱れてしまい、上手くいかなくなってしまうのです。

ラリードライバーとして、世界を舞台に活躍した桜井幸彦さんは、スタート前にはいつも大きなプレッシャーと、戦っていたそうです。
ラリーは、舗装されていない細い山道を、高速で走り抜けますから、事故を起こさないためにも、高い集中力が求められます。
桜井さんは、集中力を高めるトレーニングをしたり、プレッシャーを取り除くために、深呼吸をしたりと、いくつかの方法を試しましたが、成績はいまいち振るわなかったそうです。

ところがある時、やぶれかぶれに開き直り、プレッシャーをそのままにして、スタートしました。
すると不思議と、プレッシャーから解放され、レースで優勝してしまったのです。
それ以後は、「このレースで優勝しなければ」と、レース前にあえて自分に、プレッシャーをかけて臨み、何年も日本チャンピオンに輝きました。

このように、プレッシャーは、敵ではなく味方なのです。
プレッシャーを受け入れて、「プレッシャーは、あって当たり前」「この状況を、楽しもう」と、思いましょう。

どんな場面でも、プレッシャーを、うまくモチベーションに、変えることができるのです。
不安感が、緊張感を高め、大きな集中力を、生み出してくれるのです。

プレッシャーを、多く経験できることは、ありがたいことなのです。
プレッシャーを敵とはせず、味方と信じて、今に全力で集中しましょう。
きっとプレッシャーを、楽しむことが、できるようになるでしょう。

2020年11月12日