命を救う「明美ちゃん基金」 854


皆さんは、「明美ちゃん基金」という言葉を、聞いたことがありますか。
この基金で、多くの難病の子どもたちの命が、救われているのです。

この基金は、多くの人の善意による、命を救うための基金なのです。

今から、50年ほど前のことです。
明美ちゃんは、5歳の時まで、心臓に穴があいていて、生まれつきの心臓病に、苦しんでいました。

そして、「手術をしなければ、後2、3年の命」と、お医者さんに言われました。
そのころは、このような病気に対して、公費で治療費を負担する制度が、ありませんでしたし、また、当時50万円という大金もないために、死を待つばかりだったのです。

そんな時、新聞に「親戚に心臓病の子どもがいます。手術を受けさせてやって下さい」という投書が、載りました。
それを読んだ人々が、明美ちゃんを救おうと、次々にお金を新聞社に、送ってきました。
そのお金のおかげで、明美ちゃんは、心臓の手術を受けることができ、すっかり元気になりました。
そして、明美ちゃんの手術が、終わった後も募金が続いたので、「明美ちゃん基金」という名前が、誕生したのです。

このようにしてできた「明美ちゃん基金」は、今でも続いています。
多くの人の善意の寄付で、これまでの50年間に、200人を越える幼い命を、救ってきました。
重い肝臓障害のためアメリカで、肝臓移植を受け、命をとりとめた子どももいました。

その後、明美さんが中学生になった時、「お世話になった、恩返しがしたい」ということで、一生懸命勉強して、看護師さんになりました。
難病の子どもたちのよきお姉さん看護師さんとして、活躍されています。
明美さんは、結婚され、二人の子どもがいて、幸せに暮らしています。

「明美ちゃん基金」の活動は、国外にも広がりネパール、韓国、カンボジア、マレーシアなどの子どもたちが、手術を受け、命を救うことができました。

命を救う「明美ちゃん基金」は、これまで50年以上にわたり、“愛といのちのバトンタッチ”という、大きな善意の橋渡し役として、成長してきました。
多くの人の支援により、この灯をいつまでも、ともし続けられるようにと、願っています。

2020年11月22日