
駅で運転手さんや車掌さんの様子を見ていると、安全を確かめるために、いつもしていることがあります。
電車が駅のホームに入って、電車を停車させると、運転手さんは、運転席の機械などを指しながら、「よし」「よし」と言って、ホームを出ます。
そして、電車の行き先や番号などを指さして、「よし」と言って確認します。
運転手さんは、ホームを通って、屋根のパンタグラフなどの様子を確かめながら、前の運転席に行きます。
車掌さんは、車両の中の忘れ物などを、確かめながら後ろまで来て、さっき運転手さんが、確かめたことを、もう一度繰り返します。
このような確認のことを、「指差し呼称(ゆびさしこしょう)」といいます。
この言葉は、「指で指して、言葉で言いなさい」という意味です。
確かめるものを指でさすことで、指先に全部の注意が集まり、声に出して言うことで、確かめが確実にできるのです。
①確認する対象を見る ※対象に視点を定める(例えば、降り口を見る)
②確認する対象を指で指す ※指で指し、対象のみに視覚を集中する
(指先の降り口に、意識を集中する)
③指さしたものを声に出す ※対象の名称を声に出す(「降り口」と声に出す)
④安全の有無を声に出す ※安全の有無を確認し声に出す(「よし」と声に出す)
⑤言った言葉を耳で聞く ※言った言葉を耳で確認する(耳で安全を再確認する)
このようにして、毎日の安全に、気を配っているのです。
指差し呼称を行うことは、確認の精度を向上させ、作業への意識を高めて、ミスを減らす有効な手段なのです。
誤りの確率が6分の1になり、効果を上げていることも確認されています。
指差し呼称をすると、見て指を動かす動作や自分の声を耳で聞くことで、脳の覚醒がされ、注意力が高まります。
惰性に陥らず、意識的に確認するには、有効な方法なのです。
この指差し呼称は、医療現場や危険物取扱工場・会社などでも利用できます。
また、日常的に自分の家や自分自身のことにも、利用できます。
私も「水道 よし」「電気 よし」「ストーブ よし」「戸締まり よし」と外出の際に、指差し呼称を実践しています。
すると安心して、出かけることができるのです。
油断から、大きな火災・災害や事故などが、起こります。
指差し呼称で、常に安全を確認して、心配のない生活が、できるようにしましょう。
