上機嫌という贈り物 894


フランスの哲学者、アランの「幸福論」のなかに、「新年の贈り物に、一番相応(ふさわ)しいのは、『上機嫌』という、贈り物だ」と、書いてあります。

フランスでは、日本のように「お歳暮」を、届ける風習はありませんが、その代わり、新年を祝う家族パーティーが、何回か開かれます。
親しい人が招かれますが、そのとき招かれた人が、ちょっとした贈り物を、持ってきます。

お酒であったり、食べ物であったり、品物であったりします。
それだけでなく、形にはありませんが、『上機嫌』という、その場を明るく、楽しくさせてくれる贈り物を、贈ります。

いただいた方は、なによりもはるかに、嬉しいのです。
年の初めだというのに、ブスッとして、笑いもしない、声も立てないで、じっとしていられると、こっちの方まで、暗くなってしまいます。

それよりは、アハハ、オホホと、愉快に笑って、楽しい雰囲気が、かもしだされると、なんとなく、今年はいい年に、なりそうだ。
『こいつは春から、縁起がいいわ』、そんな思いが、込み上げてきます。

『上機嫌』、という贈り物を、多くの人にしましょう。
きっと今年も、最高に幸せな年に、なることでしょう。

2021年01月01日