いつも唇に歌を 907


悲しい時など、気がついたら、自分が好きな歌を、口ずさんでいたことがあると思います。
歌うことで、何故かしら元気が、出てくるのです。

イギリスの豪華客船タイタニック号が、ニューヨークに向かう処女航海の途中、流れてきた氷山に激突し、あっという間に沈没した、有名な海難事故がありました。
その時、海中に放り出されて、波間に漂っていた、たくさんの乗客のなかで、1人の少女が、大きな声で歌を、歌い出しました。

みんなが、少女の周りに集まり、やがて寒さも忘れて、全員の大合唱と、なりました。
やがて明け方になるとともに、救助の船が駆けつけて、みんなを助け出した、というエピソードがあります。

関東大震災のときも、焼け出されて、上野公園に集まってきた被災者が、焼け跡を一望して、途方にくれていたとき、1人の少年の吹くハーモニカに、ハッと気を取り直し、勇気を出して、焼け跡復興に、立ち上がった話もあります。

ここで、西ドイツの詩人・ツェーザル・フライシュレンの詩の1節(山本有三訳)を、紹介します。

唇に歌を持て
ほがらかな調子で
日々の苦労に
たとえ心配が絶えなくても

唇に歌を持て
そうすりゃ何が来ようと平気じゃないか
どんな寂しい日だって
それが元気にしてくれる

歌は人々の感情を揺すぶり、勇気を奮い起こす力を、持っています。
歌うことは、誰でもどんな時でも、できます。

『いつも唇に歌を』の言葉を、大切にしましょう。
歌うことで、元気が湧き、希望の光が、輝き出すのです。

2021年01月14日