
かってテレビで、子どもたちに絶大な人気を誇っていた、ザ・ドリフターズ。
いかりや長介がリーダー、人気者の加藤茶と志村けん、そして仲本工事や高木ブーという5人組。
毎週土曜日夜8時から、公開生放送でやっていた『8時だョ!全員集合』は、「おばけ番組」と呼ばれるほどの高視聴率番組でした。
番組冒頭のコントのコーナーで、まとめ役は長さん。
主に笑わせてくれるのは、カトちゃんと志村の2人。
仲本工事には、番組の後半に、体操コントのコーナーがありました。
しかし、高木ブーは、これといった活躍をいっさいしません。
というより、セリフもほとんどなし。
しかし、長さんが、こんなことを話していました。
「高木ブーは、いるだけでいいんですよ。あいつの存在で、みんなどのくらい励まされたことか」
「5人でやっていると、どうしても人気レースっぽくなる。それがギャラにも、反映してるんですけども、だいたいブーが、いつもビリを固めてくれる。だから、他の奴は、一番下手って言われなくて済む、という安心感があった」
さらに、長さんは、こんなことも言っています。
「加藤や志村を叱りたいときでも、代わりに叱りやすいブーを叱る。あいつは、叱ってもいじけないから」
さらにさらに、長さんは、こうも言っています。
「ドリフが何年に何をやったなんて、年表みたいなことも、僕はぜんぜん覚えていないけど、ブーに聞くと、全部わかるんですよ」
ブーさんには、ブーさんしかできない役割が、ちゃんとあったのですね。
まとめ役、人気者、脇役、なごませ役、引き締め役、憎まれ役など、人によっていろんな役割があって、それぞれの人が、その役割を果たすことで、世の中は、うまく回っています。
このうち、誰が欠けても、うまくいかなくなる。
必要のない人なんて、1人としていないのです。
