昼と夜の気持ちのコントロール 942


忙しい毎日で、朝から晩まで仕事を、頑張る人がいます。
仕事が終わって、家に帰ってからも、仕事のことで、悩む人がいます。
なかには家に、仕事を持ち帰って、家でも仕事をする人がいます。

これでは、昼も夜も気持ちは、仕事のことばかり、向いています。
気持ちの上手なコントロールができず、ストレスが、たまるばかりです。
身も心も、疲れ果ててしまいます。

ここで、江戸時代の忠七の話を、紹介します。

江戸の四谷に、忠七という飴屋がいた。
朝から晩まで、飴づくりに励んで、金もかなり貯まるようになった。
近所の連中は、ねたみ半分、「あれは早死にするよ」と、陰口をたたいたが、本人は老いてますます元気。
みんなが不思議がり、忍びの者を頼んで、彼の夜の生活を探らせた。

忠七は、店をしまうと、風呂屋に行き、帰ると、昼間の仕事着を脱ぎ、黒羽二重の家紋のついた立派な着物に着替え、黒ビロードの大座布団に座って、極上にタバコをゆっくり吸い、それから夕食の膳を楽しみ、終わると隣の寝室に移る。
その夜具も立派で、殿様が使うようなものだったという。
一夜明けると、また元の仕事着で、働き始める。

忍び込んだ男は、頭をかかえ、忠七にすべてを告白し、その理由を聞いた。
「仕事は楽しいですが、また厳しいものです。どこかで気分転換しなければ、長くは続けられません。せめて夜だけは、ぜいたくして、身も心もくつろぐように、しているのです」

忠七は、江戸時代において、80余歳の長寿を、まっとうすることが、できました。
その長寿に、驚かされます。

忠七の長寿は、若い時から、昼と夜の気持ちのコントロールが、できていたからでしょう。
そのせいで、ストレスが解消され、毎日が身も心も、充実していたのです。

昼と夜の気持ちを切り替え、上手に身と心を、コントロールしましょう。
必死に頑張る時は、頑張る、ゆっくりする時は、ゆっくりする。

昼と夜で、メリハリをつけ、見事な気分転換を、しましょう。

2021年02月18日