不安を与えない言い方をしよう 955


恋人と約束の場所で、待ち合わせを、していました。
早く着いて、待っているのに、相手から連絡が、ありません。
約束の時間が、過ぎるにつれて、何かあったのではないかと、心配します。

相手から、携帯電話で連絡があり、「困ったことが、起こった。ごめんなさい」と、連絡がありました。
連絡はあったものの、このような内容の連絡では、交通事故など大変困ったことが、起こったのではないかと、心配と不安が、増大します。
連絡する時には、慌てていたとしても、相手に不安を、与えない言い方が、大切なのです。

例えば乗っていた電車が、トンネルで急に、止まってしまったとします。
動き出す気配がないので、車内は、どんどんざわついてくるでしょう。
こんな時、どういうアナウンスがあれば、乗客の不安は、軽減するでしょうか。

①「原因はよくわかりません。運転再開の見通しも、立っていません」
②「この先で、信号機の故障が、ありました。復旧の見通しは、まだ立っていません」
③「この先で、信号機の故障が、ありました。再開には約1時間、かかります」

いずれの場合も、一斉に落胆や怒りの声が、上がるでしょう。
しかし、この中で実際に、もっとも不安を呼ぶのは、①です。
何も情報がない状態、何がどうなっているのか、わからない状態に、人は強くストレスを、感じるのです。

②は、原因はわかっても、どれくらい待てばいいか、わかりません。
時間の見通しがないので、イライラが、増します。
「運転手に、何かあったのだろうか?」「時間がかかりすぎるので、ひょっとしたら、大変なことが、起こったのかも」という、悪い予感も、ふくらんでいきます。

③は、原因と復旧の見通しは、わかっているので、心理的に安定し、乗客に不安を与えない、言い方なのです。
乗客は、信号機の故障と1時間を結びつけ、妥当だと考えるのです。

人は、中途半端な立場やハッキリしない状況に、置かれると、不安になります。
待ち合わせの連絡では、「忘れ物をして、家に取りに帰ったので、遅くなります。30分ぐらいで、待ち合わせ場所に、着くので、もう少し待ってて下さい。ごめんなさい」と相手に伝えれば、相手も気持ちを、リラックスして、待つことが、できるのです。

このように、相手に不安を、与えない言い方を、するようにしましょう。
常に相手の気持ちを、思いやることが、大切なのです。

2021年03月03日