困っている人には手を差し伸べよう 963


世の中には、困っている人が、たくさんいます。
本人だけの力では、解決できず、どうしようもないことが、あるのです。

○親が病気で働けず、お金がないので、子どもの学校の給食費を、払えない。
○働いていた会社が、倒産して、会社のアパートを、追い出されて、住む所がない。
○高齢者で、歩くのが不自由なので、1人で買い物や病院に、行くことができない。
○たくさんキレイな花を、育てたのに、不況で花の多くが、売れ残ってしまった。
○散歩をしていたら、道路の石につまずき、歩けなくなった。

このように、いろいろな理由で、困ってしまうことがあります。

ここで、銀座まるかん創設者・斎藤一人(ひとり)さんのエピソード(姉の話)を3つ紹介します。

一人さんが、小学校の高学年頃の話です。
「お姉ちゃん、着ない洋服、ない?」と、一人さんが、言うのです。
「あるけれど・・・。ボクちゃん、いったい、どうするの?」
私がたずねると、一人さんが、こんなことを、話してくれました。
実は家の近所に、小さな掘立小屋があって、そこには、精神障害の子どもたちが、身を寄せ合って、暮らしていました。
その子どもたちは、さまざまな事情があって、施設から、逃げてきたそうです。
みんなで壊れた電線を集めてきては、電線の周りのゴムをはがし、それを売った、わずかばかりのお金で、生活しているようでした。
高い危険なところに登って、電線を集めたり、手にケガをしながら、ゴムをはがしたり・・・。
「本当にあの子たちは、大変なんだよ」
一人さんは、しみじみ言いました。
その子どもたちと、一人さんが、どうやって知り合いになったのかは、わかりません。
でも、その子どもたちの様子を知った、一人さんは、掘立小屋に頻繁に通っては、「食べ物あるかい? 着るものあるかい?」と、食料や洋服を、運んでいたのです。

そして、そのやさしさは、いまも変わりません。
先日、一人さんが、私の家に遊びに来たときに、近所を徘徊している老人がいました。
その方は、歩いているうちに、自分の家が、わからなくなってしまったようでした。
すると一人さんが、老人にかけより、何かやさしく、話しかけました。
そして、自分の車にその老人を乗せ、一緒に家を探して、送り届けていました。

また、冬の寒い日のことです。
私の家に来ていた一人さんが、帰るというので、帰りの車の中で、食べるようにと、アツアツの焼き芋を、渡したことがあります。
焼き芋を受け取ると、一人さんがスッと玄関を出て、どこかに行ってしまいました。
一人さんが、見つけたのは、家の外にいた、交通整理をしている、おじさんでした。
寒い日なので、手に息をふきかけ、震えながら仕事をしているのが、一人さんの目に入ってきたのです。
「おじさん、これポケットに、入れておきなよ」
アツアツの焼き芋を、おじさんの作業着のポケットに、そっとしのばせてきたそうです。

このように、一人さんは、弱い立場の人や困っている人を見ると、放っておけないのです。
大変な状況の中で、一生懸命生きようとしている人を見ると、黙っていられず、何か手を差し伸べようとするのです。

私たちも、困っている人に、気づいた時は、自分のできる範囲で、その人に手を差し伸べ、支援することが、大切なのです。
世の中、お互い様なのです。

2021年03月11日