報告では善後策も伝えよう 985


部下が上司に、仕事のことで、報告する時があります。
報告しやすいのは、結果がいい時です。

結果が良ければ、上司が喜ぶので、報告しやすいのです。
仕事が順調に、進んでいるので、問題や課題はないのです。

報告しにくいのは、結果が悪い時です。
仕事が上手く、進んでいないので、問題や課題が多いのです。

悪い結果であれば、上司から怒られたり、注意を受ける可能性があります。
そんな時は、上司にわざと報告しなかったり、しかたなく悪い結果だけを、一部報告したりします。
部下がこのような態度では、課題解決できなくて、立派な仕事ができるはずがありません。

「不可能という語は、わが辞書になし」と、豪語したナポレオンは、我々が日常仕事をしていく上にも、役立つエピソードを、残しています。

戦いに勝った報告が、次々に伝令によってもたらされ、そのたびごとに、起こされたナポレオンは、顔を真っ赤にして、怒鳴ったそうです。

「勝った報告は、いちいちしないでもよい! 不利な報告をしろ!」

ナポレオンの命令は、全軍に渡り、そして、それからは自軍にとって、不利な状況報告だけが、彼の下に集まってくるようになりました。
幾度か伝令の声を聞くにつれ、またもや烈火の如く怒り出し、そしてこう言ったという。

「負けた、負けたといって、一体俺に何をしろというのか! 俺一人で何ができる! 各将校どもは、そのときどう対処したのか、これから打つ手は、どんな方法なのか、その処置、対策をもって、判断を仰ぎに来い!」

社内における報告も、成功とか勝ったとかのいい結果ならともかく、失敗した、売り上げダウン、目標達成できずといったことは、報告だけすればよい、というものではありません。
当事者、現場の人間として、自分なり担当部署なりの善後策を練ってから、報告すべきでしょう。
さらに、形成立て直しが可能であれば、常に上司と相談し、アドバイスを得て、最善の対処をするよう、心がけるべきです。

大切なのは、自分がどれだけ仕事に必死になり、主体的に関わっているか、ということです。
悪い報告では、善後策も必ず、伝えるようにしましょう。
決して、人ごとみたいに、対岸の火事を、報告するようなことがないよう、十分注意していきましょう。

2021年05月02日