何気ない親切が心に染みる 986


ちょとした何気ない人の親切が、ふと心に、染みることがあります。
人は親切にされると、心がぽかぽかで、気持ち良くなります。

自分を大切にしてくれたことに、喜びと嬉しさで、いっぱいになります。
相手に対して、強く感謝の念が、湧き起こるのです。

【親切の語源・由来】を、紹介します。

「親」は「親しい」「身近に接する」という意味です。
「切」は刃物をじかに当てるように「身近である」「行き届く」という意味があります。
つまり、身近に寄り添い、行き届くようにすることが、「親切」の意味なのです。

ここで、銀行での親切な出来事を、紹介します。

ある銀行の窓口で、中年の女性が「満期がきているのに、おたくの行員は、誰も来てくれないし、知らせてもくれない。預かるときだけ一生懸命で、あとは知らんふりでは、もう預ける気にならない」と言って、大変な剣幕で、300万円の定期預金の解約を、申し出ました。

対応に当たった窓口嬢は、丁重にわびた後、後方の事務員に「できるだけ急いで下さい」と声をかけて、解約の手続きを、頼みました。
ほどなく現金が出納の窓口から、払い出されましたが、ちょうどその時、あやしかった空から、大粒の雨が降り出し、その中年の女性は、傘を持っていなかった上に、子どもを連れていたので、出るに出られず、困った顔つきをしていました。

窓口嬢は、それを見て、自分のロッカーへ走り、自分の置き傘を取り出すと、ロビーへかけ出し、その女性に使ってくれるように、申し出たのです。
彼女のその時の態度は、本当に心から同情しての好意からのものであることは、よく汲みとれました。
中年の女性は、さっきまでのすさまじい剣幕とは、打って変わって、本当に嬉しそうに傘を借りて、帰っていきました。

それからしばらくして、支店長のところへ、電話がありました。
さっきの中年の女性からです。
金輪際おたくへは、預金をすまいと思ったけれど、窓口の若い女性の気づかいに、心をうごかされた。
また再度預金をすることにしたので、誰か来て欲しいとのことでした。

窓口嬢の心のこもった親切心が、彼女の心に、染みたのです。
そして、態度を軟化させたのです。

これは何も、ビジネスに限りません。
人のちょっとした、何気ない親切が、人の心に、染みこむのです。
そのことが、相手の心を、開くきっかけにもなるのです。

2021年05月09日