人によって態度を変えない 802


人の心は、普段はあまり見えません。
見えないけれど、時として見える場合があります。

心は、その人の態度等によって、心の内面が見える場合があります。
次のような場合があります。

初めて行く会社のある部屋で、重要な会議がありました。
会議が終わり帰ろうと玄関まで行くと、会社の人が玄関にいっしょに立たれているのです。
そこで、会社の人は玄関で、「今日はお忙しいところ、ありがとうございました。気をつけてお帰り下さい。」と、お礼を言われました。
そして、私が玄関から出てもしばらくの間は、私を見送られていました。
私のような者に、こんなに優しくしていただき感謝・感激しました。

高いビルで、エレベーターに乗り込みました。
すると優しそうな紳士が、「何回ですか?」と、笑顔で話しかけられました。
私は、「13階です。ありがとうございます。」と、答えました。
その紳士は、10階で、「お先に失礼します。」と言って、笑顔で出て行かれました。
どこかで見たと思ったら、この会社の社長だったようです。
偉い人ほど、さりげない親切をされるのに、感心しました。

この二つの例は、人によって態度を変えない、誠実さが伝わります。
どんな人やささいなことに対しても、気取らない普段通りの自分なのです。

次のような逆の場合もあります。

仕事が終わって、帰る時のことです。
上司が、「今日は、お疲れさまでした。お先に帰ります。」と言ったのを、ある男性が聞き、椅子から立ち上がって、「お疲れ様でした。」と、深々と上司に礼をします。
ところがある男性は、同僚が帰る時に、上司と同じように言葉をかけても、見向きもせず聞こえなかったふりをします。
こんなにも人によって、態度が違うことに驚くばかりです。
こんな人は、誰からも相手にされません。

宴会の時です。
ある女性は、偉い会社の役員などには、笑顔で「いつもお世話になります。」と言って、酒をついで回ります。
ところが、自分と同じような地位の人や下の人には、お酒をついだり、優しい言葉をかけたりすることはありません。
自分より上の人だけに、目が向いていて、おべっかを使っているのです。
こんな人は、誰からも信頼されません。

この場合は、上司等と同じように、誰にでも挨拶したり、酒をついだりすればいいのです。
人は、なにげない場合に、その人の普段の言葉、態度、生き方が、出てしまうのです。

人によって態度を変えないことが、その人の優しさと信頼性を、高めることになるのです。
どんな場合も、自分の態度を変えることなく、いつもの自分を、出せるようにしましょう。

2020年10月01日