ショートショートの名手と呼ばれたSF作家、星新一さんに『声の網』という作品があります。
発表は1970年ですから、もう半世紀も前に書かれた話です。
この作品で描かれる近未来では、電話が単なる通信手段ではなく、ありとあらゆる情報を提供してくれるメディアとして確立しています。
たとえば、「買いたい商品の条件を伝えると、該当する商品を教えてくれる」「今日が知人の誰々の誕生日だと知らせてくれる」などの電話サービスが存在する社会なのです。
そう、お気づきのとおり、現在のネット社会そのものです。
SF作家の想像力は、ときに予言レベルで未来社会を描くことがあります。
『銀河鉄道999』や『宇宙戦艦ヤマト』などのSF漫画で知られる松本零士さん。
彼の作品には、しばしば特徴ある未来都市が出てきます。
見上げるばかりの超高層ビル群。
これは、現在の東京の高層ビル群を見ると、かなり近いところまで現実になってきています。
実際に「漫画を小学生の時に見て、それにあこがれて、ビルを建てた」という、ビルの設計者がいるそうです。
あるメーカーの社長さんは、「自分は商品開発のヒントを『ドラえもん』から得ている」と話していました。
『ドラえもん』に出てくる未来の道具は、その全部が、人々が「欲しがっているモノ」ばかりです。
ヒット商品のヒントとして、最適なのです。
SF小説・漫画など、世の中には、未来を予測しているものがたくさんあります。
それらを参考にして、自分なりの未来を予測してみては、いかがでしょうか。
その中から、素晴らしいアイデアや知恵が、見えてくるかもしれません。
未来を予測してみることは、夢や希望を抱ける楽しいことなのです。