名前でアピールしよう 1131


「モノが売れない」「このままでは、大量在庫になってしまう」というピンチの時。
モノそのものに改良を加えなくても、その「宣伝コピー」や「名前」を変えるだけで、ピンチを脱出できることがあります。

例えば、株式会社伊藤園のロングセラー商品「お~いお茶」。
あの商品、構想から商品化までに約10年をかけた、伊藤園にとっては正に「社運をかけた」自信作でした。
しかし、1985年に発売した当時は、まだ「お茶はタダで飲めるもの」という考えが一般的で、いくら熱心に営業をかけても、なかなか取扱いをしてくれる店が、増えなかったそうです。

しかも、発売当初の商品名は、『缶入り煎茶』。
思わず「もっとひねりなさい!」とツッコミを入れたくなるほど、地味な名前でした。
いや、地味・・・どころか、発売後に伊藤園が調査してみると、「煎茶」をちゃんと「せんちゃ」と読める人が少ない、という衝撃の事実まで明らかに・・・。
名前の正しい読み方すらわからない商品が、売れるはずありません。

伊藤園では会議を重ね、1989年、商品名を、親しみが持てて覚えやすい『お~いお茶』という名前に、変更したのです。
この名前の変更によって、知名度は、飛躍的に上昇。

また、「コンビニでお弁当と共に売ってもらう」という戦略も当たって、『お~いお茶』は、伊藤園を代表する商品へと、成長したのです。

商品名を変更して売れた例としては、株式会社タカラトミーのゼンマイ式ミニカー、『チョロQ』もそうです。
最初に付けられた名前は、『豆ダッシュ』でした。
当時のタカラは、発売してすぐに名前を『チョロQ』(チョロチョロ走る、キュートな車という意味)に変更。
名前を変えた途端に、人気に火がついたのです。

出版業界でも、それほど売れなかった本のタイトルだけを変更して、再度、発売してみたら、思わぬ大ヒットになった・・・という例は、数多くあります。

このように名前を変更して、ピンチを脱することが、可能なのです。
名前でインパクトを与え、強くアピールすることは、大事なのです。

名前を上手にアピールすることを、日々意識しましょう。
大きなチャンスが、訪れるかもしれません。

2024年03月03日