「記憶力」に関する話を紹介します。
アメリカのあるマジシャンは、とても記憶力がよいことで有名でした。
彼と知り合いになった誰もが、年末になると彼から個人的なメッセージつきのクリスマスカードを受け取ります。
驚くのはそのカードに書かれた、メッセージの内容です。
カードには、会った時の会話に出た、その人の家族の名前や、出会った時の細かなシチュエーションが、正確に書かれていたのです。
クリスマスカードを受け取った人たちはみんな、「たった1度、短い会話をしただけなのに、こんなにも話の内容を覚えていてくれたとは!」と感激し、クリスマスのたびにマジシャンの名声は、高まったのです。
彼は、マジシャンです。
この記憶力の良さには、実はタネも仕掛けもありました。
このマジシャンは、相手と会ったその日に、クリスマスカードを書いてしまい、年末にまとめて発送していたのです。
でも、「クリスマスカードは、クリスマスに書くもの」という思い込みがあると、このトリックをなかなか見やぶれません。
このやり方は、賢い営業マンも使っています。
営業先でお客さんと別れたら、すぐに、その日の会話で得た情報をメモしておきます。
次にそのお客さんと会う時は、直前にそのメモを見てから会うのです。
そして、会ったら「そういえば、お子さんのタカシ君の誕生日は、明後日でしたよね」なんて言う。
簡単なプレゼントを持って行けば、なお喜ばれます。
大切なことは、直後にメモをしましょう。
メモすることは、相手を大切にすることなのです。