ノールウェーの「ムカデのダンス」という、寓話を紹介します。
あるところに、とてもダンスが上手い、ムカデがいました。
そのムカデは、1000本もの足を使って、見事なダンスをするので大人気。
その人気をねたんだのが、1匹のクモです。
クモはムカデに、手紙を書きました。
「あなたの見事なダンスに、私は心酔しています。そこでぜひ教えて欲しいのですが、あなたは、どのようにダンスをするのですか? まず228番目の左足を上げ、59番目の右足を上げるのですか? それとも最初のステップは、26番目の右足で踏み出して、それから499番目の右足を出すのですか? ぜひ教えてください。返事をお待ちしています」
手紙を読んだムカデは、はじめて「自分はどうやって、踊っているのだろう?」と考えます。
その結果・・・。
ムカデは、まったく踊れなくなってしまったのです。
深いことは気にせずやっていたときは、うまくできていたのに、余計な理屈や他人の目を気にした途端に、ぜんぜんうまくできなくなってしまうことがあります。
ムカデは、クモの巧みなワナに、まんまとひっかかって、「楽しみながら、無心でダンスする」という「大切なもの」を、失ってしまったのです。
仏教では、「人の心の中にある、悪いモノ」を、鬼の姿で表して、それを「邪鬼(じゃき)」と呼ぶそうです。
この、「心の中に住む鬼=邪鬼」がいない状態が、「無邪気」です。
人は、余計なことを考えない「無邪気」の状態の方が、本来の実力を発揮できます。
あなたの無邪気な姿が、最高なのです。