夢中になれることに没頭しよう 1117


あるとき、佐久間象山(しょうざん)(幕末の思想家)が、町中を歩いていたら、1人の町人が歩み寄ってきて、こんな質問をしました。

「先生は、博学で何でも知っている、と聞いています。そこでお尋ねしたいのですが、どうすれば商売で儲けることが、できるでしょう」

象山は、その町民をソバ屋に、連れて行きました。
そのお店は、とても繁盛していて、店主は、休憩時間であるにもかかわらず、黙々とソバを打ち続けていました。
その様子を見せたあと、象山は、町民にこう言ったのです。

「あの店主は、ソバをつくるのが、楽しくて仕方ないのだ、だから、ソバ打ちに夢中になる。その姿勢は当然、味にも表れるし、お客だって喜ぶ。店主は感激し、ますますソバ打ちに、夢中になる。そんな『正の連鎖』が、あの店を繁盛させているのだ。」
「だから、おまえさんも、夢中になれる仕事に、就くことだね。そうすれば、仕事ぶりがよくなるし、お金だってついて回るようになるよ」

象山の言う通りです。
夢中になれることは、とりもなおさず、時間を忘れるほど没頭できること、好きでたまらないこと、発奮できることにほかなりません。

ですからエネルギーを注ぎ込んだり、創意工夫をこらすことが、苦痛ではありません。
逆に楽しくて、仕方がないのです。
当然、人々をうならせることができますし、その人のファンが増えます。

ファンが増えていけば、それが収入にもつながります。
仕事で成功をおさめたければ、まずはこの「正の連鎖」に、着目することです。

2023年11月18日