島田洋七(漫才師)の佐賀のがばい(すごい)ばあちゃんの話を、紹介します。
ばあちゃんは「勉強しろ」などとは、決して言わなかったが、ひとつだけ口やかましく言っていたことがあった。
それが、「笑顔で、きちんと挨拶しろ」ということだった。
とりあえず近所の人に、笑顔で挨拶するようにしたところ、これが効果てきめん。
みんな笑顔で、こたえてくれて、たちまち俺(洋七)のことを覚えてくれる。
広島という都会から来て、不安いっぱいだった俺が、佐賀にすんなりと馴染めたのも、この「笑顔で挨拶」の効果が、大きかったような気がする。
ときには、「あら、こんにちは、昭広ちゃん。いただきもののおまんじゅう食べる?」
なんて、思いがけない展開になることだってある。
こうなると「スマイル0円」どころか「スマイルでボロもうけ」、味を占めた俺は、ますます笑顔で、挨拶をするのだった。
そういえば、ばあちゃんは、自分でもこの作戦で、近所の人から野菜や果物、お菓子などをゲットしていたっけ。
もし、俺がいつも暗い顔をして、うつむきながら、歩いていたら、まんじゅうがもらえないのはもちろんのこと、「あの子は片親で、おばあさんのところに、預けられているから暗い」などと、近所のつまらないうわさ話のネタに、なっていたかもしれない。
たぶん、ばあちゃんは、そういうこともよくわかっていたのだろう。
「どんなときでも、笑顔で挨拶」
じいちゃんに先立たれ、女手ひとつで苦労して、子どもを育ててきた、ばあちゃんならではの生きる知恵だったのだと思う。
笑顔で挨拶をしましょう。
多くの人から可愛がられ、上手に生きていける知恵なのです。