誠実さが人の心をつかむ 1130


口ベタなのに、売れ続ける営業マンの話を、紹介します。

田中さんは、ハッキリ言って「口ベタ」。
性格は「クソ」が付くほど「真面目」で、「バカ」が付くほど「正直」。
そして、「お人よし」。

にもかかわらず、なんと、営業として216ヵ月(18年)連続で、営業目標クリアというとんでもない偉業を、達成しているのです。
目標を毎回クリアし続けるのは、本当に至難のワザ。
口ベタで不器用な田中さんが、そんな偉業を達成できた理由。
それは、・・・。

「誠実」だったから。

田中さんは、お客さんから「車が故障した」と聞けば、夜中でも休日でも、笑顔で駆けつける。
お客さんの家族が、車を探していると聞けば、たとえ1円の得にもならなくても、中古車や、時には他のメーカーの車でも、安く手に入れられるように手を尽くす。

他にも、「駐車場探し」や「ローンの相談」はもちろん、車とはまったく関係のない「病院施設の紹介」「家屋の修繕」などなど・・・。
「お客様が困っている」と知ると、どんなことでも親身になって相談に乗り、力になったのです。
お客にしてみれば、もう「車のセールス」などというワクをはるかに超えた「よき相談者」、オーバーに言えば「人生のパートナー」のような存在。

そんな田中さんから、車を買わないわけがありません。
田中さんのもとには、お客の方から次々に「あなたから車を買いたい!」と、注文が入ってきたのです。
しかも、そのお客がまた、新しいお客を紹介してくれる・・・。
こうして、田中さんは、強引な「売り込み」を一切しないにもかかわらず、ノルマを18年間もクリアすることができた、というわけです。

「口ベタ」にもかかわらず営業時代、天下無敵だった田中さん。
その最大の武器は「誠実さ」。
田中さんが、営業時代に売っていたのは、「車」ではなく「信頼」だったのです。

人の心をつかむのは、「誠実さ」なのです。
「誠実さ」こそ、人の魂を揺さぶるのです。

2024年02月23日