ある高校3年生が、高校3年生の全国高校サッカー選手権で、優勝した日のことを一部紹介します。
前回優勝校の清水東高校に、1:0で、帝京高校は勝ち、私たちは4度目の選手権優勝を飾ることができたのです。
自らのアシストで日本一を決めた私は、「これで少しは、父親に認めてもらえるのでは」と思い、試合会場で姿を探したのですが、父は、「飛行機の時間がある」と、私を待たずに、会場を後にしていました。
父への報告を諦めた私は、下宿に戻り、3年間お世話をしてくれた人たちに、お礼をしようとしたのですが、下宿のおばさんは、開口一番にこう言いました。
「あなた、まず座りなさい。あなたのお父さんは、すごい人でした」
下宿を訪れた父は、こう言ったそうです。
「高校3年生の父です。3年間、愚息の面倒を見てもらい、ありがとうございました。すみませんが、手ぬぐいを貸してもらえませんか」
それで何をするのか見ていると、私が3年間使った下宿のトイレと風呂を全部、手ぬぐいを使って、丁寧に拭いていたそうです。
「やっぱり親父は、すごいな」
その話を聞いた私は、気づいたら、号泣していました。
おそらく父は、試合を見て、息子の活躍する姿を、嬉しく思ったのでしょう。
それとともに、3年間お世話になった、下宿のおばさんなどへの感謝の気持ちが、高まったのです。
父は、下宿を丁寧に掃除をすることで、感謝の気持ちを、行動で示したのです。
真心からの感謝の気持ちが、強く感じられるのです。
