街の食品会社に勤めるある男性は、来る日も来る日も、同じ道を通勤している。
あるとき道路工事で、別の道を通らざるを得なくなった。
するとどうだろう。
素晴らしい庭園が、見えてきた。
「どこの家だろう」と思いながら、しばらく行くと、角にモダンな家があり、玄関にハッとするような美人がいる。
「こんなところがあるのか」と思いながら通りすぎ、ふと振り返ると、何のことはない。
いつも見ている、顔見知りの女性であった。
先ほどの庭園に戻ってみると、そこも何の変哲もない風景である。
以来ある男性は、時々通勤コースを、変えているという。
サラリーマン約600人に「出勤の電車やバスの時刻や車両、座席の位置などは、ほとんど決まっていますか」と聞いてみた。
33パーセントが「ほとんど決まっている」、52パーセントが「そんなことに関心がない」と答えた。
通勤事情を考えれば、ワンパターンの乗り方をするのも、やむを得ないだろう。
しかし、電車をたまに意識的にズラしてみたり、車両を変えてみたらどうだろうか。
気づかなかった現象や光景が、目に飛び込んでくるはずだ。
こういう積み重ねが、創造の素材をふやすことは、いうまでもない。
ちなみにギリシャの哲学者アリストテレスは、「散歩しながら考え、討論すると、よい発想が生まれてくる」と言っている。
歩くことで、足に与えられた刺激が、脳の活性化を促すのである。
つまり、想像力は、日頃生活している「街」にあるのです。
「街」から、たくさん素晴らしい刺激を、いただきましょう。
