「不出来だが、期日通りの仕事と、優秀だが期限に遅れた仕事と、どちらがましか」という自己啓発に練習問題がある。
答えは、むろん前者だ。
それほど、時間厳守は、優先順位が高いということである。
ロケットで有名な糸川英夫博士は、コンサートでショパンの難曲「ポロネーズ」をチェロで、弾かなければならなくなった時、分割法でものにしたという。
まずポロネーズの小節を数えて、120という数字を把握した。
演奏会までは、67日。
総仕上げの1週間を除き、60日と考えれば、1日2小節の練習という計算になる。
これなら5、6秒で弾ける。
2時間かければ100回は、練習できると考えたわけだ。
しかも、難曲をものにするために、糸川氏は、さらにもう1つの工夫をしたという。
さて、それはどんなことだろうか。
ショパンの曲は、スタートの部分がとくに難しい。
ここから、練習を始めたら挫折してしまう。
糸川氏は、「第1歩は、とにかく踏み出すことだ」と考え、まず、1番楽な箇所を探した。
すると最後の小節は、音符が1つだ。
中ほどにも手ごろなのがある。
初日の練習は、弦をブーッと単純にこするだけで、すんでしまった。
しかし、どのようなスタートでも、1段上がれば、次の段階を昇る気になるものだ。
こうしていつも、残りのやさしそうな小節を選んで、練習していくうちに自信がつき、ついには120小節全部が、弾けるようになったという。
仕事など、決められた期日が、設定してある場合が多い。
そんな時は、大事ほど小事に、分割しましょう。
工夫次第では、楽しく期日までに、完成することができるのです。
