頭の柔らかさは身を助ける 1142


第二次世界大戦のときの話を紹介します。

アメリカのギルフォードという心理学者が、空軍からある依頼を受けます。
それは、「心理学者の立場から、爆撃機のパイロットにふさわしい者を選んで欲しい」というものでした。

依頼されたギルフォードさんは、知能指数や学業成績、そして個人面接の結果などから判断し、自信たっぷりに適任者を選出しました。
ところが、彼が選んだパイロットたちは、ことごとく撃墜されてしまったのです。

一方、退役軍人が選出したパイロットたちは、ほとんどが撃墜されませんでした。
この結果に大ショックを受けたギルフォードさんは、なぜそんなことになったかを調査しました。
すると、次のようなことがわかったのです。

ギルフォードさんが選んだパイロットたちは、皆すごくマジメ。
敵の対空射撃にあったら、マニュアル通り上昇して逃げ、その逃げ方を予想して、上空で待ち伏せしていた敵機に、撃墜されていました。

一方、退役軍人が選んだパイロットたちは、その場に応じて、臨機応変に下降したり、ジグザグ飛行をしたりと、相手の予想外の動きをすることで、助かっていたのです。
この事実を知ったギルフォードさんは、「創造性や独創性」の大切さを知ったのです。

頭の柔らかさが、パイロットの身を助けたのです。
頭の柔らかさは、大きな力を発揮するのです。

2024年05月19日