乗客の安全が第一 1150


台風の時など、予定していた飛行機が欠航になったり、到着地が変更になったりということがよくあります。
たとえ欠航や到着地変更の理由が、天候のせいであっても、それによって予定が狂ってしまうと、イライラしてしまうのが、人間というもの。

航空会社の人に対しても、きつく当たってしまいがちです。
その予定が大切な商談だったりすると、わかっていてもなかなか平常ではいられないのが、人情でしょう。

CA(キャビンアテンダント)を長年努めた経験を持つ彼女は、そんな「天候による到着地の変更」の時に、とても印象に残っているエピソードがあるそうです。

そのお客様は、某企業のトップ。
悪天候で飛行機の到着地が、変更になることがアナウンスされても、嫌な顔1つせずに、座席でずっと静かに、本を読み続けていました。
そして、予定とは違う地に着いて、飛行機を降りるとき、CAである彼女に、こんな言葉をかけてきたのだそうです。

「機長さんに、『安全策をとってくれて、ありがとう』とお礼を伝えてください」

よくよく考えてみれば、飛行機が悪天候で到着地を変更するのも、電車が横風で徐行運転するのも、すべては乗客の安全を第一に考えてのこと。
本来は、怒るどころか、感謝するべきことなのです。

目的地に着くのが、5時間くらい遅れたって、墜落で死んじゃうよりは、よっぽどいい。
死んじゃったら、5時間遅れどころか、永遠に着けません。

以前、電車が運行時間を守るために、無理にスピードを出しすぎて、脱線したという悲劇がありました。
そんなことを考えると、「安全確認」で多少、電車が遅れても、「安全を考えてくれてありがとう」と思えてきます。

「乗客の安全が第一」と、強く願いましょう。
きっと、高ぶった心が、安らかになることでしょう。

2024年07月13日