駐車場の仕事で幸せ 1038


新宿にある駐車場で、管理人をしている男性(おじさん)の話です。

不愛想そうな管理人が多い中、そのおじさんは、いつも元気で、笑顔なのです。
「満車」の時には、わざわざ入口に立って、駐車場に入ろうとする車の運転手に、いちいち謝っています。
他の管理人なら、「満車」という看板を出して、管理人室で漫画を、読んだりしているのに・・・。

その管理人のおじさんが、家庭の事情で、駐車場を辞めることになった日のことです。
ある利用者は、おじさんへのおみやげに、菓子折りを、持って行くことにしました。

いつもそのおじさんの仕事ぶりに、感心していましたし、実は以前、急な雨の日に、おじさんに、傘を貸してもらったことがあったので、その時のお礼・・・と考えたのです。

おじさんの最後の勤務の日。
菓子折りを持って、管理人室へ行ったその人は、そこで「信じられない光景」を、目にします。

彼が、管理人室で見たもの。
それは。

たくさんの花束と、山積みになった、おみやげの箱。
そして、おじさんと記念写真を撮るために、行列を作る利用者たちの姿でした。

駐車場の仕事は、淡々とこなす仕事だけなら、「ただのつまらない仕事」かもしれません。
おじさんは、一生懸命、やりがいを持って、笑顔で魂を入れて、取り組んでいたのです。

そのことが、周りの人々を、幸せにするとともに、おじさん自身が、幸せになっていたのです。
仕事をして、働くことの意味が、ここにあるのです。

駐車場の仕事でも、日々の仕事を通して、みんなが幸せに、なれるのです。

2022年05月05日