「お客様第一」が最高のサービス 1025


商売で、「サービス」という言葉を使います。
「買ってくだされば、サービスしますよ」という場合は、値引きしたり、おまけをつけたりします。
「サービスのよい店」という場合は、客をもてなしたり、顧客のためになる種々の奉仕があります。

客をもてなす、サービス業の代表選手といえるホテル。
なかでも明治23年創業の帝国ホテルのサービスは、群を抜いていると、言われています。

そんな帝国ホテルをこよなく愛した一人に、作家の井上ひさしさんがいます。
井上さんは、家族での食事や仕事の打ち合わせにも、帝国ホテルをよく利用したそうです。

ある日のこと、いつものようにバーラウンジで、仕事仲間と話をしているとき、井上さんはうっかり手を滑らせて、グラスを割ってしまいました。
老舗ホテルのバーで、使用するグラスですから、かなり値の張るものだったでしょう。

しかし、すぐさま走り寄った従業員は、割れたグラスには見向きもせず、まず「先生の大切な右手は、大丈夫だったでしょうか」と、聞いたそうです。

作家にとって、ペンを持つ右手は大切。
その対応は、素晴らしいの一言です。

私たちも、仕事をしていると、思いもよらぬシーンに遭遇します。
そんなとき、つねに「お客様第一」という気持ちを、忘れずにいたいですね。
サービスの真価が、問われるのは、そういうときなのです。

お客様を心から大切にして、それを言葉と態度で、示しましょう。
「お客様第一」が、真心がこもった、最高のサービスなのです。

2022年02月04日