人に惚れられよう 1078


あの人の言うことや頼みごとは、どんなことでも、素直に聞き行動できる。
こんな人は、あの人のことを尊敬し、惚れているのです。

惚れている人がいる人は、とっても幸せな人だ、と思います。
もちろん自分が、他の人から惚れられているなら、さらに幸せなのです。

ある時、権力絶頂期にあった秀吉が、己の力を見せつけようとして、家康に、自分の財産を披露した事が、あったそうです。
金銀財宝をみせられた家康は、しきりに感心するばかり。

調子に乗った秀吉は、「家康どのは、どのような財宝を、お持ちかな?」と水を向けます。
すると、家康は、物おじする事なく、こう答えたそうです。

「私は、貧乏な地方の大名ですから、このような財宝を、持っておりませぬ。ですが、私のためなら命を惜しまない旗本が、1万騎ほど、おりまする」

この言葉を聞いた秀吉は、恥じ入ると共に、「家康、あなどり難し」の思いを、強くしたという話です。
人の上に立つ者は、どんな時も、「自分を支えてくれる人たち」の存在を、忘れてはいけません。

いや、人の上に立つ者だけでは、ありません。
人は誰でも、誰かに支えられて、生きています。

「自分を支えてくれる人たち」に、「自分を惚れてもらう」。
もし、本当に「惚れてもらう事」ができたら、これほどの強みは、ありません。
「カリスマ経営者」と呼ばれる人たちも、その多くは、一見、「ものすごくワガママ」なのですが、皆、従業員に「惚れられて」いました。

松下幸之助は、会社で散々に叱り飛ばした、部長の自宅へ電話をかけて、奥さんに、こんな事を言った、というエピソードが、残っています。

「今日、ご主人は、しょげて帰ってくるだろうから、夕飯にお銚子の2、3本でも付けてやって欲しい」
こんな細やかな気づかいが、社員から「惚れられる」のですね。

あなたは、自分のために、「何でもするよ」と言ってくれる人を、持っていますか?
常に自分を支えてくれる人を、大切にして、優しく態度で、接するようにしましょう。

長年の思いやりと努力が、あなたを周りから、惚れられる人に、成長させていくのです。

2023年02月10日