分け合えば喜びと感謝に 1080


相田みつを(詩人)の有名な詩、「分け合えば」の一部を、紹介します。

うばい合えば にくしみ
分け合えば よろこび
うばい合えば 不満
分け合えば 感謝

うばい合えば 戦争
分け合えば 平和
うばい合えば 地獄
分け合えば 極楽

東日本大震災が発生した時、仙台では、ライフラインは翌日復旧しましたが、本や雑誌の流通は、完全にストップ。
子どもたちが、毎週読むのを、楽しみにしている漫画雑誌も、本屋には届きません。

そんなある日。
1人のお客が『少年ジャンプ』を持ってきて、ある本屋さんに、こう言います。

「これ、ボクはもう読んだので、よかったら皆に、読ませてあげてください」

そのお客は、『少年ジャンプ』を読みたくて、山形まで行って、購入したとの事。
本屋の店主は、さっそく、店頭に張り紙をします。

「少年ジャンプ 3/19日発売号 読めます! 1冊だけあります」

店主は、この『少年ジャンプ』を、立ち読み自由にしました。
そう、「シェア」したのです。
それを見た子どもたちが、次々と店にやってきます。

ウワサはすぐに広がり、翌日には、お店に長い列が・・・。
子どもを連れてきて、「ずっと怖がっていた子どもが、ようやく笑ってくれました」と、涙ぐむ母親もいました。

この1冊の『少年ジャンプ』の話は、小さな新聞記事に、なりました。
すると、この本屋さんに、「この本も置いて、あげて欲しい」と、たくさんの漫画雑誌が、届くようになったのです。

いつしか、店頭には募金箱が、置かれました。
無料で読むのは悪い・・・と、考えた子どもたちが、設置したのです。
店主は、募金箱に入れられたお金を、津波で被害を受けた地域に、本を届けるプロジェクトへ、寄付しました。

数百人の子どもたちに、回し読みされて、ボロボロになった、この『少年ジャンプ』は現在、発行元に、「伝説のジャンプ」として、保管されているそうです。
この『少年ジャンプ』の話は、「シェア」が生んだ、小さな奇跡です。

一人占めは、ツマラナイのです。
分け合えば、皆が喜び、感謝するのです。

2023年02月23日