ただ働きもありがとう 1083


「うわーっ、損したー!」「えーっ、たったこれだけー!」って思うこと、ありませんか?

たとえば、あなたが会社や事務所には、所属していない、フリーのイラストレーターだとします。
そんなあなたに、知り合いから「たしか、イラストのプロだったよね。ちょっとイラストを描いて、もらいたいんだけど」と相談が。

自分はフリーとはいえ、プロのイラストレーターなので、タダではないだろうと、思ったものの、知り合いからの依頼だし、お金の話をするのも野暮(やぼ)なので、そのまま快く引き受けるあなた。
依頼されたイラストは、初めて経験するタイプのもので、それなりの時間をかけて、完成させました。

「まあ、知り合いだし、謝礼はいくらでもいいや」と、気前よく思っていたのですが、知り合いは、「いやー、助かった。ありがとう!」と、言ったきりで、どうやらお金を支払ってくれるつもりは、なかったようです。

さて、こんなとき、あなたは、どう考えますか?

お釈迦様は、こんなことを、言っているそうです。

「世の中には、損も得もない。ただ、『損だ』『得だ』と、こだわる人の心が、あるだけだ」

「ただ働きかよ!」と、思えば損。
「初めてのタイプのイラストを描けて、いい経験になった」と、思えば得。
それだけのことだ、というのです。

どんな行為も、見返りや報酬を、期待せず、『させていただいて、ありがたい』と、思えば、心穏やかにいられます。
もし、イラストを頼まれたときに、はじめから「知り合いだし、勉強になるから、タダでやってあげよう。私のイラストを評価して、頼んでくれてありがたい」と、考えていれば、「ありがとう」と、言ってもらえるだけで、満足できたはずです。

「見返り」や「報酬」に、いっさい期待しなければ、「心穏やか」に、いられるのです。
ただ働きも、ありがとうなのです。

2023年03月18日