お膳立てに感謝 1084


野球の試合で、3点差で負けている9回の裏に、満塁のチャンスをつかみ、そこで、逆転サヨナラ満塁ホームランを打ったら、打った人は、文句なしのヒーローです。

でも、ここでちょっと、考えてみてください。
もし、同じバッターが、ランナーなしで、ホームランを打ったとしたら、どうでしょう。
ソロホームランで、たった1点入るだけ。
当たり前ですが、ヒーローでもなんでもありません。

やったことは、「ホームランを打った」という、同じことなのに、かたや「ヒーロー」で、かたや「1点取った人」どまり。

この違い。
ひとえに、その人が打席に立つ前に「チームメイトが、チャンスを作ってくれていたかどうか」に、かかっています。
いわゆる、「お膳立て」を、整えてくれていたかどうかが、分かれ道になるわけです。

お笑い芸人・・・というより、リアクション芸の神様、出川哲朗さんが、ある番組で、ビートたけしさんから、昔聞いたという、忘れられない言葉を、紹介していました。

たけしさんに連れられて、寿司屋に入ったときのことだそうです。
リアクション芸で、人気だった出川さんに、ビートたけしさんは、こんなことを、言ったのだそうです。

「お笑いっていうのは、フリがあって、フリがあって、オチがある。ウド鈴木や出川やダチョウ倶楽部が、いつも『オイシイところ』を、もらっているけど、その前に、たけし軍団とかが、振って振ってくれているから、最後に大オチで、大爆笑が起きているんだ。だから、『振ってくれている人たち』への感謝は、絶対に忘れちゃいけない」

この言葉について、出川さんは、「一生忘れられない」と、語っていました。

自分の活躍は、「自分がオイシイところを、持っていけるように、お膳立てをしてくれた人たち」のおかげ。
たとえ、逆転サヨナラホームランを打っても、その自分に、酔いしれるだけではダメ。

その前に出塁して、ランナーになってくれた人たちが、いてこその逆転ホームランだということを、忘れてはいけません。
その感謝の気持ちを忘れると、いい気になって、思い上がってしまい、後で必ず痛い目をみることになりますので、ご用心、ご用心。

お膳立てに、常に感謝なのです。
お膳立てがあってこそ、自分が活きるのです。

2023年03月24日