成功の有無はよく練られた計画しだい 867


新しいことに取り組む場合に、思いつきで、行動する人がいます。
そのこと自体は、決して悪いことでは、ありません。

自分の直感を信じて、行動するのです。
スピードがあり、行動力があるのです。

これは、新しく取り組むことが、今までの経験を活かせる事、簡単な事であれば、成功する場合が、多いでしょう。
しかし、経験が活かせなかったり、難しい事であれば、思いつきの行動では、失敗する場合が、多いと思います。

つまり、思いつきでの行動であれば、計画が立てられていないのです。
計画が立てられていても、簡単な計画だったり、十分検討されていない、計画だったりするのです。

これでは、大切な家を建てるのに、きめ細かな設計図がないのと、同じです。
そうであれば、頑丈で工夫があり、住みやすい家を建てることは、不可能です。

映画監督の故黒澤明は、つねづね「映画は脚本だ」と、言っていたそうです。
「脚本がうまくいけば、その映画は、なかば成功したのも同然だ。しかし、脚本が悪ければ、どんな名優をもってこようと、いいカメラマンをそろえようと、その映画は、失敗する」と、言うのです。

そんなわけで、黒澤監督は、脚本づくりに、十分な手間暇をかけた。
温泉旅館の1部屋を借り切って、黒澤監督を含めた、3~4人のシナリオライターが、ひとつの机を囲んで、集まる。
集まった人たちは、同時に同じ映画の同じ場面を、書きはじめる。

全員が書き終えたところで、自分の書いた原稿を、それぞれ隣に座っている人に回す。
そして、回されてきた原稿に、手直しをして、また隣の人へ回す。
それをくり返して、原稿が一巡してから、全員で話し合って、決定原稿を完成させたという。

お金と時間をかけ、脚本作りに、監督まで参加して、脚本を練りに練り上げたのです。
よく練られた優れた脚本(計画)だからこそ、映画の黄金時代を、築くことができたのです。

手間暇をかけ、納得するまで、計画を練り上げましょう。
成功の有無は、よく練られた、計画しだいなのです。

よく練られた計画には、あなたの願い・思い・意欲・思考が、すべて詰まっているのです。

2020年12月05日