正直すぎて相手を怒らせない 877


正直に生きることは、正しいことです。
しかし、どんなことでも、どんな時にも、正直すぎてしまう人がいます。

自分が、言わないでいいことでも、相手に正直に話します。
相手が、聞きたくないことでも、相手に正直に話します。
正直すぎて、時には相手を、怒らせる場合があります。

ここで、ある夫婦の話を、紹介します。

最近太りぎみであることを、気にしていた妻が、ダイエットを始めたのです。
そして、一月経ちました。
しかし、夫には、妻はちっとも痩せたようには、見えませんでした。
そこで、正直に「本当にダイエットしているの。太ったままじゃない」と、言ってしまったそうです。

すると妻は、カンカンに怒ってしまい、その後何日か、口もきいてくれなかったそうです。
夫は、「正直に本当のことを言ったのに、なぜ怒るんだろう。自分が悪いんじゃない。怒った妻のほうが、悪いのだ」と、怒っていました。

これは、夫の言うように、悪いのは妻のほうでしょうか。
むしろ夫のほうが、ずっと悪いことをした、とも考えられます。
妻が太っていることを気にして、ダイエットを頑張っているのに、「正直に本当のことを、言う」のが、いつも正しいとは、限らないのです。

次のように、平気で正直に、言う人がいます。

☆妻が工夫して料理を作ったのに、「今日の料理はまずい」と正直に言う。
☆友だちが、仕事が終わって急いで、待ち合わせの場所に来たのに、「すごく遅かった」と正直に言う。
☆部下が、必死になって、頼まれた報告書を作成したのに、「内容がひどすぎる」と正直に言う。
☆新しく会社に入った女性を見て、「今度の女性は、可愛くないね」と正直に言う。

このように、相手のことや相手の気持ちを考えずに、正直に自分が思ったことを、言ってしまう人が、いるのです。
このようなことは、心の中に思ったとしても、相手に言わないほうが、いいのです。
もちろんできれば、心の中に思わないことが、いいでしょう。

正直なことでも、相手を傷つけてしまう言葉なのです。
言う前に、もっと相手の心や気持ちを、想像してみましょう。

正直すぎて、相手を怒らせないように、しましょう。
相手の喜ぶ顔が、見られるような言葉が、いいのです。

2020年12月15日