子育ては悩みの連続 935


親であれば、子どもに対して、次のような願いを持つ人が、多いでしょう。

○自分の子どもを、大切に育てたい。
○一人前の大人に、育って欲しい。
○自分以上の立派な人に、なって欲しい。
○しっかり勉強・運動して、手に職を身につけて欲しい。

このような願いを持ち、親は子育てに、励みます。
しかし、親の願い通りにならないのが、子育ての難しさなのです。

子どもが親の言うことを聞かない、子どもが親に心配ばかりかける、子どもが親に反抗的な態度を取る、など思うようにいかないことが、多いのです。

ここで、熊本日々新聞掲載、63歳主婦の「子どもと共に少しずつ成長」を、紹介します。

息子が20歳になった時、私は彼に謝った。

私はいつも理想的な良い母親でいたわけではなかった。
怒鳴ったこともある、ひどい言葉を浴びせたこともある。
ちゃんと育っているのだろうか?
どうして言うことを聞いてくれないの?
不安で不安でたまらない心があふれ出し、怒りが姿を現したこともあった。

「ごめんなさい」と頭を下げた私を「完璧な母親なんていないよ。母さんがおれを一生懸命育ててくれたことは分かっている」という息子の言葉が包み込んだ。
20年という時間を経て、ようやく自分の子育てを振り返り、素直に認めることができた瞬間だった。

出産したからといって、すぐに母親としての度量が備わるわけではない。
子どもと共に時を刻み、失敗を繰り返しながら、わが子の成長と同じように少しずつ母親へと成長していくのだと思っている。

あれから7年あまり。
今年はもう1人、私を「おかあさん」と呼んでくれる人が息子に寄り添っている。
「母の日」は、私を母親にしてくれた息子に感謝する日でもある。

親にとって、子育ては、悩みの連続なのです。
子育てに悩みがない人は、1人もいないでしょう。

悩みながらも子どもと共に、少しずつ成長していくのです。
そして、子どものおかげで、良き母親・父親になっていくのです。

2021年02月11日